余話。その2
                                                  
ワインづくりが技術を獲得するまで(1)
-パスツ−ル以降−
 
 
 私たち日本人は、ワインを酒の一種と考えます。エチルアルコールを含んでいて、飲めば酔っぱらう液体。酒というものの属性をこう捉えてしまうと、ワインはまさしく酒であります。ワインもど−ルも清酒も、本質は同じではないか。これはアルコール中心主義、いうなれば「唯酒精論」ですね。こういう考え方に一度決まってしまうと、それぞれの酒に、独自の技術の「在りよう」があって、それらは決して同質化しない、ということが理解できなくなってしまう。ビールとワインの醸造における技術的な進歩を比べ、ビールが先行し、ワインがその後を追い、あたかも同じレールの上を走っていて、ビールが文明化していったように、やがてワインも文明の酒となっていく、と考えやすいんですね。そんなに単純に割り切れるもんじゃないんです。なぜ割り切れないのか。多分、この二つは酒という同じレールの上を走っているのではない。つまり文化として異質なんですね。


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