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ブショネ原因 「TCA」を
完全除去するコルク栓が浸透中

 ワインの品質に大きな影響を与えるコルク栓の汚染、いわゆるブショネの問題は今でもしばしば議論の対象になっている。各種の対策が講じられ減少しているとはいえ、今でも2%~5%の頻度でブショネが発生していると言われる。ブショネに関係している分子は最近の研究でほぼ特定され、その中でも特に数ppb(イメージとしては50mプールに一滴程度)でコルク臭を発散するTCA(2、4、6-trichloroanisole )が多くの場合関係していることが分かってきた。そして、この問題を防ぐためにコルクに代わってプラスチック栓や金属のスクリューキャップなどが使われるようになっている。しかし、通気性と機密性という相反する性能を過不足なく持つ素材はなかなか見つからず、今でもコルク栓に対する要望は根強い。
 2007年に行われたある専門誌の調査によると全世界で1年間に約150億本のワインボトルが流通しており、そのうちの80%がコルク、12%がプラスチック栓、6%がスクリューキャップなどとなっている。この割合は国や地域によって大きく異なり、例えば、オーストラリアやニュージーランドでは高級ワインも含めて約8割がスクリューキャップに置き換わっているのに対して、フランス、イタリア、スペインなど伝統的なワイン生産国では相変わらず、ほとんどのボトルにコルク栓が使われている。
 このほど、世界第二位のコルク栓メーカー、ウネオ・ブシャージュ(OENEO BOUCHAGE)がパリのレストラン「Il Vino」で記者会見を開いた。席上、ドミニック・トゥルネ社長は「ブショネの原因になるTCAを特許製法で完全に除去したコルク栓、DIAMがボルドー、ブルゴーニュの大手ネゴシアンやドメーヌで採用され急速にシェアを伸ばしている。また、シャンパーニュでもシェアが既に10%を超えている」と語った。
 説明によると、天然コルクを粉砕し、高圧の超臨界状態の高密度二酸化炭素を使った特殊な処理を行うことで、天然コルクの中に含まれたTCAを含む150種類以上の揮発性分子をクロマトグラフで全く感知できない水準まで抽出することができるという。一方、これによって、コルクの中に含まれているバニラや煎ったカカオ、さらにフローラルな香りなど、ワインにとってプラスになる香りを引き出すことができるという。
 粉砕、処理されたコルクは食品の結合材を使って成形され、空気の透過率や要求される気密性などに応じた製品に仕上げられる。
 会社側が、不純物を抽出した溶液だという瓶を会見場に持参していた。確かに、埃臭さやカビ臭などが抽出されているのが分かる。「ピュアなワインの質を確実に確保できるだけでなく、合成コルクやスクリューキャップよりも炭酸ガスの排出量が少なく環境に優しい。価格的にも、従来の天然コルクと十分競争できる。さらに従来のコルク栓を開けるというソムリエの儀式も保つことができる」とウネオ・ブシャージュのクリストフ・ロワゼル技術部長は説明した。
 スティルワイン用のDiamの他、スパークリングワイン用のMytik Diamant、さらに同じ処理を施したビールやスピリッツ用のコルク栓も製造している。製造工場はスペインとフランスにある。昨年の販売金額は5400万ユーロ(約7億円)。