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過去20年、世界のワイン造りは大きく様変わりした。シャルドネとピノ・ノワールは国際品種になり、栽培に法的制約のないニューワールドでは、それらのワインの品質向上に長足の進歩が認められる。
一方、その二つの品種の本家ブルゴーニュワインはというと、最北のシャブリと、コート・ドールの特定のワインは安定的に売れているが、その他は意外にお寒い状況だ。
「このところ勢いを増しているフュージョン料理や地中海料理、創作和食などの店、あるいは大手のチェーン・レストランからはブルゴーニュのオーダーは少ない。
ワインリストには掲載されているが、実際にボトルやグラスで売れるのはニューワールド産のシャルドネやピノ・ノワールだ」と、都内の業務用酒販店が指摘する。その理由は、と聞くと
「ブルゴーニュは総じて値段が高いことと、複雑で難しいワイン≠ニいうイメージが強く、購買担当者やフロアの責任者は敬遠しがちだ。その点、ニューワールドの方がもっと単純明快だ。それにインポーターの販売方法も、比較的安いネゴシアンもののブルゴーニュ・ルージュやブルゴーニュ・ブランは、ホテルなどの宴会需要に充てていて、料飲市場には回ってこない」のだという。
ニューワールドワインとの競合だけでなく、ブルゴーニュの内なる戦いも激しくなっている。特に1990年代以降、ネゴシアンワインとドメーヌワインの間に、大きな需要のギャップが生じている。有名な小生産家のワインはあっという間に右から左へ≠ニ売りきれるが、ネゴシアンラベル≠ニいう理由だけで価格性能比の良いワインが売り先を失っているケースも多い。
そこで、日本市場のブルゴーニュワインを見直してみることにした。ニューワールドの各地でピノ・ノワールを造る取り組みは盛んで、年年歳歳すばらしいものを産み出すようにはなっている。動いているから話題も多く、注目もされる。しかし、産地の平均点という視点で見るとき、それらは未だブルゴーニュの水準には到達していない。つまり、ブルゴーニュのピノ・ノワールは、世界的に見てかなり優れたワインだ。そこには未発掘の金塊がまだまだ残っているはずだ。
そこで、ブルゴーニュワインに詳しいリテイラー二人に、日本市場におけるブルゴーニュの実情と課題を聞いた。一人は、古くは輸入元でブルゴーニュワインを扱
い、現在は九州を主なフィールドにして小売店のワイン・コンサルタントとして活躍する馬渡美多氏。もう一人は、オンライン・ショップで比較的新しいタイプのブル
ゴーニュを販売することの多いワイナリー和泉屋の新井治彦氏である。
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