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TCA除去の成形コルク「DIAM」
を採用したアルザスワイン『ヒューゲル』

 このほど来日したヒューゲル・エ・フィス12代目当主のエティエンヌ・ヒューゲル氏と、フランスソムリエ協会会長で“オーベルジュ・ド・リル”のシェフ・ソムリエであるセルジュ・デュプス氏が揃って講師を務め、「アルザス・リースリングタイプ別テイスティングとフランス料理のマリアージュ」と題する試飲セミナーが開かれた。リースリング・ジュビリーの2004、01、1998、リースリング・ヴァンダンジュ・タルディヴの2001、98、95の垂直試飲を中心に、リースリングだけ8種を利いたこの日の試飲会。リースリングがもつ味わいのタイプの多様性、熟成とともにフレッシュ感を残しながらも味わいが変化(進化)する変幻自在な奥行きの深さを、両氏は、具体性を持った試飲コメントと合わせるべき料理の紹介をとおして知らしめた。
 この日、参加者の関心を集めたのはリースリングを含むヒューゲル社のクラッシクレンジのワインに2006年ヴィンテージから採用されている新しいクロージャー“ディアム(DIAM)”。ヒューゲル社ではコルク汚染の問題を解決するために、最良のクロージャーを求めて1998年から調査・研究を進めてきた。スクリューキャップを含む幾つかの代替コルクで実験を重ねたところ、スクリューキャップはセラーでの熟成中に液漏れの可能性があることがわかった。醸造責任者マーク・ヒューゲル氏がその後も実験を重ねた結果、一つの納得できる解決策として見いだしたのがこのディアム(Oeneo-Bouchage社製)であった。ディアムはいったんナチュラル・コルクを粉末状にし、特殊な高圧炭酸ガス処理によりコルク中のTCAを除去し、その上で、もういちど圧縮成型してコルクの形状にもどしたもの。ヒューゲル社ではまず2004年ヴィンテージのハーフボトルにこのディアムを採用しはじめたが、①ブショネの問題は完全に解消され、クレームは一切ない、②コルクが均一化しているため、ハーフでもボトルでも熟成は全く同じ。ボトルバリエーションが無い、③抜栓もスムーズだ、といったメリットが確認されている。とくに、熟成が早く進むといわれるハーフボトルだが、ディアムを使った2004年産リースリングのハーフボトルと、同じく2004年産リースリングでナチュラルコルクを使ったレギュラー瓶を比較試飲すると、前者の方がフレッシュ感を多くのこしているという。こうしたことから、ヒューゲルでは少しずつディアモの利用範囲を広げ、2007年産のハーフボトルはクラシックレンジからセレクション・ド・グラン・ノーブルに至るまで全てディアムで対応するとしている。デイアムは少なくとも7年以上の熟成使用に耐えることは確認済みというが、レギュラーボトルに採用されているのは今のところクラシックレンジだけ。ジュビリー以上のレンジについては今もナチュラルコルクを使用。「今後さらに長い熟成に耐えるかどうかを検証した上で、上級レンジにも使える可能性を探っていきたい」とエティエンヌ氏は語っている。