今年から、「特集国産ワイン」を「特集日本のワイン」として改めた。その第一弾として「国産葡萄100%ワイン」をレポートする。国産葡萄100%ワインとは、日本国内
で収穫された葡萄だけを用いて造るワインの集合体である。新酒については除外し、各メーカーのフラッグシップとなるような醸造専用品種で造る限定生産的なワインおよびそのワイン造りと方向性の概略を以下メーカーごとに記す。
■大手メーカー編
●「違い」を育くむワイン造り
メルシャンは今年シャトー・メルシャンシリーズをリニューアルする予定だ。現在、同シリーズはトップレンジからスタンダード品まで国産葡萄だけを原料にして造
られている。原料となる葡萄の産地はメルローが長野県塩尻桔梗ヶ原、シャルドネが長野県北信地区、福島県会津新鶴地区だ。勝沼町産を中心とした甲州もシリーズの重要なラインナップである。シリーズの年間生産量は約4万5000c/s。
常に造りにテーマを設け、造り手以外の様々な人々の意見をも参考にしながら本格的なワイン造りを続ける姿勢を一貫している。甲州のワイン造りから始まったその歴史も、よりインターナショナルなものへ進んだ。
シリーズの頂点となるワインのひとつ、「信州桔梗ヶ原メルロー」(現在97年産、生産量8000本)の造りも進化し続けている。1997年から醸造家ポール・ポンタリエ氏を醸造アドバイザーにすえ、世界的なワインの考えを採用。当初は「メルローで強いワインを造りたい」という想いだった。良い葡萄を原料にその時代のボルドーワインの醸造法を用い、「しゃにむに」やってきた。しかし、今は、「ワインというものは、もっとおいしさを求めるものではないか」となった。果実香とか、バランスの良さとか、まるいタンニンとか。それらを葡萄栽培、醸造で志向し始めたのがこの5〜6年だという。昨年、ニューヨークワインエクスペリエンスに、98年桔梗ヶ原メルローの特別バージョン(SIGNATURE)を出品。高い評価を得た。そのコンセプトは、「まるいタンニンの実現」だった。「飲んだときにおいしさがわかりやすい、エレガントなワイン」の実現。そこには、日本での赤ワイン造りの方向性があるのではないかという。
●葡萄から始まるカテゴライズ
キッコーマン(マンズワイン)は昨年2月に国産ワインラインナップを3つのカテゴリに区分した。そのうち「国産プレミアムワイン」(ソラリスブランド)の全てと「ジャパニーズ・オリジナルワイン」の多くが国産葡萄100%ワインになる。その双方で価値観を訴求する。ワインの場合、多くの品質の結果が葡萄にある。それに醸造技術が加わってワインとなる。日本では、様々なグレードの葡萄ができる。そのグレードに応じて、国際的な競争に耐えうるような商品(国産プレミアムワイン)と日本のスタイル(食生活)に応じた日本の葡萄から造る日本のワイン(ジャパニーズ・オリジナルワイン)があると同社では考えている。前者は欧州系の本来のワインに用いる葡萄品種(シャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなど)から造ったワイン。国産葡萄から造る日本のワインとして世界に伍していけるような品質のワインを造る。いわば挑戦のフィールドだ。後者は日本に昔からある葡萄(甲州、マスカットベリーA、善光寺など)を用いて造るワイン。今年は、後者の分野の見直しを予定。醸造技術を駆使してもう一段上のワインにする計画だ。
「国産プレミアムワイン」の原料となる葡萄は殆どが長野県産。同社では、栽培面積を増やしたり、更なる適地を探したりという方針は今のところない。現在の畑でいかに良い葡萄を収穫するかを重視する。ソラリスブランドの中では、「信州小諸シャルドネ樽仕込」(現在94年産、生産量約2000本)が代表格だ。長野県小諸ワイナリー内圃場産シャルドネを100%使用。発酵、熟成ともに新樽使用。熟成期間は年によって異なるが約6か月以上とそれほど長くない。基本的にグッドヴィンテージの時だけ造るワインである。
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